sakanantanのブログ

カフェを開きたい、日常で感じること、コーヒーの知識などを思いつくがままに書いていきます

先週一番びっくりしたこと

金曜日の夜は結構色んな事が起こる。

僕はその日喫煙所にいた。特に何の変りもない外の喫煙所で、夜風が肌寒くも心地良かった。

それが起こったとき、何をしていたのかはっきりと覚えていないのだが、おそらく僕は煙草を吸いながら、携帯でも開いていたかもしれない。

最初は何かが近づいてくるな、というのを感じただけだった。視界の端っこで捉えた印象では、きっと誰かが吸い終わった煙草を捨てるために、吸殻入れのほうに歩いているんだろうと思った。

けれどその何かはまったく止まる気配を見せず、だんだんこちらに近づいてくるのがわかった。身の危険を感じて、瞬時にパッと顔を上げて前方を見ると、還暦近い年齢のスーツを着た背の低い男が、僕のほうに向かって突進してきているのだった。

男はまるで背後から凄い力で押されている人みたいに、上半身を前に突き出して突っ込んできた。その歩き方は、まるでふざけた子供が遊んでいるようにも見えた。でも、その表情を見てすぐにやばいと思った。誰かに催眠術でもかけられたような、明らかに意識がなくなっている顔だったからだ。

途中で男の向かっていく方角が僕のほうではなく、僕のすぐ横のほうに進んでいるということに気が付いた。

正面衝突は避けられそうだが、このままでは僕の後ろの壁とぶつかってしまうと思い、僕は男の向かっていく方に左手を出して男を止めようと試みた。でもあまりに急なことだったし、物凄い勢いだったので結局間に合わず、男はそのまま僕のすぐ左側を通り過ぎていった。

最終的に喫煙所を囲む木の枠に突っ込んでそのまま倒れこんだ。幸い木が柔らかかったのでその男に大きなけがはなかったと思う。もしそれが硬い壁だったらどこかを骨折していてもおかしくはなかった。

気が付くと、喫煙所にいたすべての人間が僕の後ろの男のほうに視線を向けていた。皆呆気にとられたようなぽかんとした表情をしていた。

僕も男を止めようとして差し出した手がそのままの形で残っていたことに気が付かなかった。男は明らかに酒に酔っている様子で、立ち上がってからもふらふらしていて、なんとか喫煙所から去っていった。その時になってようやく自分の手の状態に気が付いてひっこめた。驚気と同時に恥ずかしい気持ちになった。

 

それにしても、あの状態のままあの人は電車に乗って帰れたんだろうか。どう考えてもやめたほうが良さそうだった。あれが電車のホームで起こったら取り返しのつかないことになる。タクシーでも捕まえてあげたほうが良かったのかもしれない。

 

喫煙所であんなに酷い酔っ払いは見たことがなかった。

それにしても、金曜日の夜は本当に何が起こるかわからない。明日が休日でお酒を飲む人が多いっていうのもあるんだろうけど、結構色んなことが起こる。

以前も電車に乗っていて、変な人と一緒の車両になったことがある。その人はずっとぶつぶつ何かを口にしていて、その場にいない誰かに対して文句を言っているみたいだった。一体何がそんなに腹立たしいのかわからないのだが、ずっと自分が怒られているようで、いやな気分になったのを覚えている。

ほかにも喧嘩を始めて途中で降りていく人とか、目の前で今にも吐きそうになっている人と乗り合わせたこともある。

昨日はペットボトルを握ったまま眠っている人が目の前に座っていた。だんだん手の力が抜けていって、ペットボトルを離してしまい、僕の目の前にころころ転がった。そこでその人は目を覚ましてペットボトルを拾い、また眠り始めた。するとまた手から力が抜けていって、そろそろ落とすだろうなと思っていたら、ぎりぎりのところで目を覚まして握りなおしていた。そのときはつい笑ってしまいそうになった。